文房具編集者が感じた手書きの大切さ

Teriwの開発物語

Story of Teriw

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見直される手書きの大切さ

下敷き使っていますか? とたずねると、学生の頃は使ってましたけど…。という反応をいただくことがたくさんあります。

メインに使う筆記具が、鉛筆からシャーペン、ボールペンと変わり、あまり文字の質にこだわらない場面が増えて、そのまま社会人へ。手書きはサインや簡単なメモなど、最低限できればいいものになっている人も多いのではないでしょうか。

ただ、デジタル化が進む今だからこそ、手書きのよさが見直されはじめています。

書店には、ノート術、メモ術、手帳術というコンテンツが多く並び、「メモをすることで思考を整理される!」や「アナログの手書きでこそ、質の高いオリジナリティのあるアイデアが生まれる!」という声に同調する人がかなり増えてきたように思います。

私も文具本の編集者として、手書きをテーマにした本を多く作ってきました。そんな中でご一緒させていただいた文具著名人の皆様から、気持ちよく前向きに手書きができれば、以下のことが実現できると教わりました。


・思考の整理整頓ができ、ミス・無駄が減る

・不安や不満、モヤモヤが明確になり、正しい対策が打て、自分らしく暮らせるようになる

・自分の考えがまとまり、ネット上の意見のコピペではなく、オリジナルの意見が持てる

・アイデアを忘れることなく書き留め、広げることができる



などなど。

このように、手書きで得られるメリットはたくさんあります。

しかし、だからといって明日から毎日手書きをしよう! と実際に行動できる人はほんのわずか。

それもそのはず、学生の頃とは違い、大人になってからの手書きをする環境が整っていないのです。

ペンやノートを選ぶ基準も人それぞれ、書く場所も自宅、職場、カフェ、電車の移動中などさまざまです。大人になって選択肢が増えた分、意識して気持ちよく書ける環境作りが必要です。

今こそ、書き味を調整できる下敷きを使って筆記環境を整え、「手書き」という毎日を効率的かつ楽しく暮らす力を手にしてください。

Teriwの開発物語

みなさん、普段手書きってされてますでしょうか。

私自身の答えは、かなり最近までNOでした。社会人になり、それまで好きだったイラストを描くことも忘れ、パソコン作業がメインとなり、いつしか1週間に1時間も手書きをしない毎日になっていました。

私が手書きをしなくなった理由は、仕事のデジタル化だけではありません。これも最近わかったことですが、実は私の手書きの癖が強かったのです。

4年ほど前、文房具メーカーが主催する展示会に行ったときのことです。私は文房具の本を作っていたので招待状をいただいたのでした。その際に、自分の筆圧を知ることになったのです。かなり詳細に測れる機器で、驚くことに私の筆圧は、常人のほぼ5倍。それまで、油性ボールペンで書くとインクが掠れてしまっていたのを、いつもペンのせいにしていたのですが、それが私自身の筆圧のせいであったことが判明。どうやら、"ゴリラ筆圧"と呼ばれる状態だったそうです。

思えば思い当たることはありました。手書きをするとノートはすぐにぼろぼろになり、片面しか使えないのは当たり前でした。細いペンを使うと穴が開くことも。そして、手書きをしているとすぐに疲れてしまい、肩も凝る。これでは手書きを楽しむどころではありません。ただ、その原因がわかったのは大きな発見でした。つまり、解決する可能性が生まれたからです。元々書くこと自体は、文字であっても、イラストであっても好きだったんです。

それから、自分の筆圧に注目して、なるべく優しく手書きをするように心がけるようになりました。筆記具によって力の入れ方を変えることで少しは改善しましたが、長年の癖なので完全に治ることはありません。そこで、自作で下敷きを作り使うようになったのです。

すると、それまでとは全く違う世界と出会うことができました。少しずつコンプレックスが消えていくのを感じながら、文字が、イラストが流れるように自分から生まれていくような感覚を楽しむことができたのです。手書きの楽しさが、自分に戻ってきた感動は、衝撃的なくらい大きなものでした。

そして、改めて周りを見渡しました。「もしかしたら、同じように手書きにコンプレックス、ストレスがある人がいるのではないか」、そう思ったのです。

筆圧が強くて困っている人、筆圧が弱くて困っている人、筆記具によって変わる個性を活かしきれていない人。

そのすべての人に、私が感じたような、手書きの楽しさを思い出してほしい。

その想いが日に日に強くなっていきました。

こうして出来上がったのが、「Teriw」という下敷きです。下敷きは子どもが使うもの、というのが常識となっていますが、その理由は明確にはないのです。強いて言えば、「ノートに下敷きをはさむのが、面倒くさい」ということでしょうか。ただ、これも、下敷きのメリットを知れば、使わない理由はなくなります。


・筆記具に合わせて上質な書き心地が得られる

・筆記環境が安定するので、外出先で便利

・しおりになるので、使うページにアクセスしやすい

・下敷きをはさむアクションが、手書きのスイッチになる



このTeriwというブランドのミッションは、すべての大人に、「手書きのよさを思い出す」体験をしてもらうことにあります。

手書きという、クリエイティブな思考のキーとなる行動を、もっと最適に、もっと快適に。 そのために今後も努力していきたいと思っています。

今後の「Teriw」の活動でも、ご一緒できることを楽しみにしております。



Teriw開発者 木庭 将

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